ガス主任技術者とは?メリット・資格の取得方法・難易度・おすすめな人など紹介

ガスを扱う事業所や現場には、必ず選任配置しなければならないのがガス主任技術者です。

この資格を取得すると、ガス工作物の工事・維持および運用が独占業務として行えるようになります。

需要の多さから資格に対する人気は高く、有資格者は昇給・昇格時に優遇されます。

ガス主任技術者の仕事内容はどのようなものか、どうすればなれるのか、詳しく説明していきます。

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ガス主任技術者とは?

区分 国家資格
カテゴリ ガス・インフラ
受験資格 なし
試験日程 毎年9月
試験方法 筆記試験
試験会場 全国主要都市
受験料 12,700円
登録・更新 なし
難易度 3.5
おすすめな人 社会人

ガス主任技術者とは、一般家庭で使われている燃料ガスの製造から供給までの全過程にわたって、ガス工作物の保安・監督を行う際に必要な国家資格です。

ガス事業者はガス事業法によって、事業場ごとにガス主任技術者を配置しなくてはならないことが定められているので、ガスを扱う現場には欠かせない存在といえます。

爆発や火災など危険性を伴うガスについての高い専門知識と、現場を保安・監督する統括力を兼ね備えた有資格者、それがガス主任技術者なのです。

ガス主任技術者には、甲種、乙種、丙種の三種類があり、それぞれの種類で保安・監督できる範囲に違いがあります。

ガス事業法施行規則によって定められているのは次のとおりです。

甲種

ガス工作物の工事・維持及び運用

乙種

最高使用圧力が中圧及び低圧のガス工作物並びに特定ガス発生設備等に係るガス工作物等の工事・維持及び運用

丙種

特定ガス発生設備に係るガス工作物の工事、維持及び運用

ガス主任技術者のメリットは?

ガス主任技術者の資格を持てば、ガス工作物の工事や維持・運用を確実に保安・監督する中で、爆発などの事故から人々を守るといった社会的使命感を持って仕事に取り組むことができます。

また、企業によって違いはありますが、多くの事業主はガス主任技術者に資格取得の手当を設けていることから、収入アップも望めるでしょう。

加えて、有資格者として社内で必要な人材となり、ゆるぎないキャリアづくりに向けた足がかりを築くことができるのも、ガス主任技術者の資格を取得する大きなメリットです。

さらに、転職などキャリアアップの面でも有利です。

ガスは生活に欠かせないライフラインであり、ガス工作物の保安・監督はどの現場にも必ず配置が義務付けられている業務なので、需要が絶えることはありません。

ガス主任技術者の資格を持っていれば、さまざまな企業への転職を考えた際に、有効に活用することができます。

ガス主任技術者の取得方法は?

ガス主任技術者の資格を取得するには国家試験を受けて合格しなくてはなりませんが、特に受験資格は設けられていないので誰でも受けることが可能です。

試験は毎年1回、9月に北海道・宮城・東京・愛知・富山・大阪・広島・香川・福岡・沖縄の各会場で実施されます。

試験内容は、ガス工作物の工事、維持および運用に関する保安に関して知識や技能を問うもので、甲種、乙種、丙種の種類ごとに行われます。

資格取得に向けた学習は、ガス主任技術者資格の参考書で独学もできますが、スクールに通ったり通信講座を受講したりすることも進めることも可能です。

日本ガス機器検査協会のサイトから購入できる試験問題解説集も参考になります。

この解説集は甲種・乙種・丙種の過去5年分の試験問題について解説を載せながら、合格に向けた対策が身につくよう構成されています。

過去問から同じような内容が問われることもありますので、問題形式に慣れておくこと以外にも、目を通しておいた方が良いかもしれません。

この他、試験内容には物理や化学の知識が必要な問題もありますので、独学する場合は大学受験用の問題集などで対策することも一つの方法です。

ガス主任技術者の難易度は?

【甲種】

受験者数 合格率
2022年 2,296人 10.2%
2021年 2,511人 20.5%
2020年 2,647人 10.5%

【乙種】

受験者数 合格率
2022年 1,963人 17.1%
2021年 2,076人 23.4%
2020年 2,150人 16.6%

【丙種】

受験者数 合格率
2022年 3,131人 25.9%
2021年 3,170人 28.3%
2020年 3,107人 24.2%

ガス主任技術者試験の検定試験は、甲種・乙種・丙種ごとに内容は異なりますが、三種ともにマークシート2時間、論述問題1時間の配分で、法令・基礎・ガス技術の分野が問われます。

このうち、基礎はマークシートで、法令とガス技術はマークシートと記述二つの形式で解答することになります。

そして、以下の各項全てを満たすことで、合格となります。

合格基準

・合計得点(300点満点)が180点以上

・法令科目(80点満点)の得点が25点以上

・基礎科目(50点満点)の得点が15点以上

・ガス技術科目(100点満点)の得点が30点以上

・論述問題(70点満点)の得点が20点以上

以上からも分かる通り、出題される範囲が広く、論述の回答形式に対する対策も必要で、科目ごとに足切りも設けられているなどの点で、総合的にかなり骨のある内容となっています。

試験は甲種、乙種、丙種の順に簡単になっていきますが、種類によって合格率にかなり幅があり、難易度の違いが読み取れます。

全体として難関といえるガス主任技術者の難易度ですが、乙種・丙種に比べると最上位の資格である甲種の難易度は、中でも非常に高いレベルで推移していることがわかります。

マークシートだけでなく、論述でも解答を求められる試験では丸暗記だけでは対応できません。

普段から新聞など多くの文章を読み、書くことになれることが難関のガス主任技術者試験を突破するのには必須の対策といえるでしょう。

ガス主任技術者はこんな人におすすめ!

ガス主任技術者は、家庭用などの燃料ガスをはじめガスの全過程を保守・監督する重要な役割を持ちます。

あらゆる場面で起こりうる危険なケースを想定した危機管理意識を持ち、ガスに関する様々な安全管理の知識を常に更新していく向上心がこの資格を目指す人には必要となります。

また、知識の高さはもちろんのこと、事業現場での作業を円滑に進めるための素養も必要です。

現場の状況を客観的に捉え、周囲の人と協調しながら状況に応じた的確な指示を出すことができる、指導力と責任感が求められます。

すでにガス業界に従事している場合は、この資格によって人事面や給与面での待遇アップが望めますので、さらに昇進をはかりたいという上昇志向を持つ人にとっては目指す価値のある技能です。

ライフラインに直結した需要の絶えない仕事ですので、他業種へキャリアアップをはかりたいという人にもぴったりの職業といえます。

まとめ

ガスを扱う現場には設置が必須のガス主任技術者。

この資格があれば、ガス会社への就職が有利になるのはもちろん、すでに勤務している人にとっても資格手当などによる収入アップが見込めます。

さらに、その需要の高さから、他業種からの転職時にメリットを生むのは間違いありません。

取得するのは決して簡単ではありませんが、安定度抜群のガス業界の中で活躍することをめざすなら、チャレンジする価値は十分にあります。