不動産鑑定士になるには?仕事内容・働き先・難易度・試験内容など解説

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数ある不動産資格の中でも、名実ともに「最高峰」とされている不動産鑑定士。

不動産市場では、中古住宅の鑑定・評価や証券化への関心が高まりつつあり、不動産鑑定士が求められる場面はさらに増えると予測されています。

しかし、不動産鑑定士試験の難易度は非常に高く、簡単に合格できる試験ではありません。

この記事では、不動産鑑定士になる方法や仕事内容、試験の難易度などを詳しく解説していきます。

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不動産鑑定士とは?

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「不動産鑑定士」とは、建物や土地といった不動産の価値を鑑定・評価し、適正な価格を示すことができる高度専門職です。

不動産の鑑定だけでなく、鑑定結果に基づいて土地活用に関するアドバイスを行うコンサルティング業務や、法律に関する相談などを請け負うこともできます。

この資格は国土交通省が認定する国家資格ですが、その中でも有資格者だけが携われる「業務独占資格」なのです。

不動産鑑定法では、不適切な不動産の鑑定が行われることを防ぐために、不動産鑑定士の資格を持たない人が鑑定をすることや、「不動産鑑定評価書」を作成することを禁止しています。

このように、不動産の鑑定・評価を始めとした適正性が求められる専門業務は、法律で定められた資格を持つ人しか携わることができません。

つまり、不動産鑑定士の資格を持つということは、法律に立証されている専門性・信頼性を有することの証明でもあるのです。

不動産鑑定士になるには?

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不動産鑑定士になるには、国家試験に合格した後、一定期間の実務修習を修了しなくてはなりません。

試験はまず一次試験である短答式試験から受けることができ、合格した人は二次試験の論文式試験を受験することが可能です。

論文式試験を合格すると、今度は実務修習を受講して不動産鑑定士になるための専門技能を習得します。

所定の単元を修了した後に修了考査が行われ、合格すると国土交通大臣の確認を受けた後に不動産鑑定士として認定されるのです。

なお、前年度または前々年度の短答式試験に合格している場合は免除され、一定の条件を満たすことで論文式試験の科目も一部免除となります。

一次試験は誰でも受験可能

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不動産鑑定士の一次試験に特別な受験資格は無く、年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験することが可能です。

受験の願書は2月中旬~3月上旬から配付となり、書面申請・電子申請の両方で申込むことができます。

書面申請は各地の国土交通省土地鑑定委員会事務局で、電子申請は国土交通省ホームページのオンライン申請システムページで受け付けています。

不動産鑑定士の仕事内容は?

不動産鑑定士は、不動産に関する様々な業務・シーンで活躍できる専門職です。

不動産の鑑定・評価

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まず、不動産鑑定士の主な業務としては不動産の鑑定・評価が挙げられます。

不動産鑑定の依頼を受けた際、一定の手順に従ってレポートを作成し依頼者に渡す仕事で、公的評価・民間評価という2種類の業務に分類することが可能です。

公的評価は国・都道府県・市町村などの依頼を受けて、地価調査、路線価格の評価など、公的な価格・評価を出す業務を指します。

民間評価は企業や個人からの依頼で行う業務で、不動産の売却・購入価格の鑑定や所有資産の価値評価など、民間の取引に関わる業務です。

不動産の調査・分析

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また、不動産に関するリサーチも不動産鑑定士の仕事です。

ビルやマンション、アパートといった建物で依頼の多い業務で、賃料や契約更新料などを決める参考となります。

貸し手と借り手の双方が納得する形に落ち着かせるために、公平な評価を出すのです。

不動産に関するコンサルティング

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その他、不動産に関する相談業務を行うこともあります。

土地の有効活用についてのアドバイスから、企業が所有する不動産の管理・運用に対する提案など、不動産の利用に関する指導・相談など様々です。

特に経験豊富な不動産鑑定士が、それまでの知見を活かせるような仕事になります。

不動産鑑定士の働き先は?

不動産鑑定士の働き先は、大まかに不動産系・金融系の2種類に分けられます。

不動産系

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不動産系の場合は、不動産鑑定事務所や不動産販売会社、不動産管理会社など、不動産に関する事務所・会社などが挙げられます。

事務所に勤務する場合は自社物件の鑑定を行い、会社で働く場合は鑑定部門に所属して外部からの鑑定依頼を受けるのが一般的ですが、どちらも業務内容に関する大きな違いはありません。

鑑定業務の知識を存分に活かせる職場と言えるでしょう。

金融系

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金融系では、不動産投資信託(REIT)を取り扱う証券会社や信託銀行、監査法人などが主な働き先です。

この場合は、鑑定業務の他にも物件運用・企業会計といった経営業務に携わることもあるため、不動産系の企業よりも幅広い業務を扱うことができます。

その他

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不動産系・金融系の他に、コンサルティング会社に勤めたり、独立開業する人もいます。

コンサルティング会社での業務は、土地利用の提案や街づくりの立案など、アイデアを試されるものと言えるでしょう。

また、独立開業では弁護士や公認会計士といった他分野の専門家と共同で立ち上げを行うケースもあります。

不動産鑑定士の難易度は?

勉強時間は約2000時間

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不動産鑑定士試験は、司法試験・公認会計士試験に並ぶ「3大国家試験」と呼ばれており、その試験難易度は非常に高いことで有名です。

特に、民法・会計学なども課される二次試験の論文式は狭き門と言われており、試験を通過した後も実務修習を終えて修了考査に合格しなくてはなりません。

試験合格に必要となる勉強時間の目安は合計2000時間と膨大なもので、1年半~2年という長期間で徹底対策を行うのが一般的なケースです。

合格率は5%程度

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不動産鑑定士試験の合格率は、一次試験が30%程度、二次試験が15%程度ですが、一次・二次の両試験を通過できた最終合格率は5%程度です。

ただし、この合格率は不動産鑑定士の難易度が高すぎるあまり敬遠されることが多く、現状を見かねた国土交通省が難易度の緩和を行ったためで、かつての最終合格率は3%以下という低水準でした。

なお、実務修習の終了後に行われる修了考査の合格率は平均85%であり、試験を突破できたからといって全員が合格できるとは限らないのです。

不動産鑑定士の試験内容は?

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不動産鑑定士の試験内容は段階ごとに出題範囲が異なります。

短答式試験での問題は、主に不動産に関する行政法規と鑑定評価理論です。

マークシート形式となっており、7割程度を基準に合格とされています。

論文式試験では、民法・経済学・会計学、鑑定評価理論などが出題され、6割程度が合格基準です。

ただし、試験では合格点だけでなく、各試験科目について一定の得点を取る必要があります。

試験を通過したら1年間または2年間の実務修習となり、講義・基本演習・実地演習などを学んでいきます。

不動産鑑定士は国が認定するプロフェッショナル

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不動産鑑定士は全ての人が挑戦できる機会を設けていますが、誰でも合格できる試験ではありません。

しかし、見事合格すれば国が認定する「不動産鑑定の専門職」として、様々な専門業務に携わることができます。

合格者がいる以上、合格することは不可能ではないので、まずは勉強するべき内容を知ることから始めてみましょう。

記事の執筆者
リズ

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