国税専門官になるには?仕事内容・働き先・難易度・試験内容など解説

金融・会計・財務
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国税局や税務署の職員が、脱税の摘発をしたり、事業主の自宅を訪れて査察を行ったりすることは、多くの人に知られているでしょう。

こうした職務に就く人は、国税専門官という国家資格の有資格者です。

国税専門官とは、どんな仕事をしているのでしょうか?

また、国税専門官になるには、どんな試験を受けなければならないのでしょうか?

そこで今回は、国税専門官が携わる業務や資格試験の内容について解説していきます。

国税専門官とは?

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国税専門官は税金の徴収に関する専門家の国家資格で、この資格の保有者は、税務署や国税庁で徴税に関する業務に携わっています。

国税専門官の資格を取得すれば、国税調査官・国税徴収官・国税査察官といった職業に就くことになるでしょう。

国税調査官は、個人・企業がきちんと納税しているかチェックする役割を担い、国税徴収官は税金を滞納している人に督促状を送ったり、財産の差し押さえ処分を実施したりします。

国税査察官とはいわゆるマルサのことで、家宅捜索を行って脱税を洗い出し検察官に告発する人のことです。

国税専門官になるには?

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国税専門官になるためには、年1回実施される国税専門官採用試験という国家試験に合格する必要があります。

受験資格に21歳以上30歳未満という年齢制限がかけられていますが、学歴に関する条件はありません。

ただし、大学卒業程度の学力がないと合格は難しいでしょう。

試験では憲法・民法・商法をはじめ、経済学・会計学・社会学等といった人文・社会科学系の内容が大半を占めるので、法学・経済・政治学などの学部で学んだ人が有利になります。

めでたく試験に合格し、国税局への採用が決まったら、税務大学校などの養成学校で専門官基礎研修を受講しなければなりません。

さらに、税務署で一定期間の実務経験を経てから専科研修などを受けると、初めて国税専門官に任命されるのです。

国税専門官の仕事内容は?

税金徴収の専門家として活躍する国税専門官の仕事は、国税調査官・国税徴収官・国税査察官といった職種によって様々です。

国税調査官の仕事内容

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国税調査官は、納税義務者の所在地を訪問し、実体に合致した納税申告が行われているか調べなければなりません。

担当する税金の種類は、所得税・法人税・相続税といった直接税と、消費税・酒税などの間接税もありさまざまです。

また、担当する地域を巡回し、車や建物といった個人の所有物に変化がないか調査し、財産状況について細かくチェックすることもあります。

納税申告に関する相談に乗り、助言したり必要書類の紹介をしたりすることも、国税調査官の仕事です。

国税徴収官の仕事内容

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国税徴収官は、納付期限に遅れた税金の催促や差し押さえなどの強制処分を担当します。

滞納者に関しては、職業や資産から家族構成などの極めてプライベートな事項まで調査しなければなりません。

資産調査の際には法務局で不動産登記簿を閲覧し、税務署に提出された帳簿と登記簿の内容の齟齬がないか確認する作業を行います。

納税者の私的事項に踏み込んだ調査を行うため、コンプライアンスの徹底について細心の注意を払うことが必要です。

国税査察官

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国税査察官は、裁判所が発行した令状を得て、警察官と同様の強制捜査の権限により家宅捜索などの強制処分を実施します。

暴力団の犯罪を扱う警視庁組織犯罪対策部が、暴力の「暴」を取って「マルボウ」と言われるのと同様に、国税査察官は査察の「査」を取って「マルサ」と呼ばれているのです。

家宅捜索によって収集した証拠は、告訴を担当する検察官に提出されます。

なお、国税査察官の仕事は検察官に告発するまでであって、不正行為をはたらいた者に直接刑罰を与えることはできません。

国税専門官の働き先は?

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国税専門官の就職先は、全国12ヶ所の国税局の管轄内にある税務署です。

ただし、希望すれば全国どこにでも勤められるわけではありません。

試験合格後、採用された国税局、または国税事務所の管轄エリア内の税務署のいずれかで勤務することになるのです。

国税専門官の勤務先では、原則として1日8時間の日勤だけで、税務署が閉まる土日祝日に出勤することはないため、他の公務員と同様に休暇制度も充実しています。

国税専門官が昇進できたら、税務署長や国税局・国税事務所の職員といった社会的地位の高い役職に就けるでしょう。

さらに、語学能力や適性があれば、派遣者の数は少ないものの、税務事情の情報収集のためアメリカ・イギリス・フランスなどの海外勤務も不可能ではありません。

外国に住んで領事館や国際機関で活躍している国税専門官もいます。

国税専門官の難易度は?

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国税専門官採用試験では、毎年約1万人から1万2千人が受験して、最終的に3千人くらいが合格します。

したがって、合格倍率はおよそ4倍です。

国税専門官の1次試験で約半分が脱落するため、2次試験に進めるのは半分にすぎません。

受験者が減る一方で、国税専門官の数を増やすために採用予定者数を増員したことから、合格者数も増加し、倍率が従来より下がりました。

国税専門官採用試験は科目数が多く、他の国家試験にはない会計学などの勉強が大変ですが、概して国家公務員一般職と同程度の難易度と言えるでしょう。

国税専門官の試験内容は?

国税専門官採用試験は、基礎能力試験と専門試験の2つから成る一次試験から始まり、二次試験で人物試験が実施されます。

専門試験には多肢選択式と記述式がありますが、一次試験の合否判定には記述式は含まれないので注意しましょう。

一次試験について

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一次試験の基礎能力試験は、いわゆる教養試験とも言うべき内容で、一般知能と一般知識を併せて40題あります。

日本史・世界史や物理・化学などの一般知識より、英文・現代文や資料解釈・判断推理といった一般知能の方が重点的に配点されていることが特徴的と言えるでしょう。

専門試験の多肢選択式は、必須問題と任意問題の2種類があり、任意問題は自分の得意な問題だけを選択して回答すれば良いことになっています。

こちらも基礎能力試験と同じ40題です。

他の国家試験と同様に、憲法・行政法や経済学・経営学が試験範囲となっていますが、これに加えて、会計学や商法などの科目が含まれるのは、この試験独特と言ってよいでしょう。

専門試験の記述式は、1千字ほどの論述型式で回答する内容になっています。

二次試験について

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二次試験の人物試験は、個別面接の形式で実施され、集団面接はありません。

与えられた職務において優秀な成果を発揮する行動特性を問う「コンピテンシー」という面接方式を採用しています。

例えば、受験生個人の経験を取り上げ、「その時にどのように行動したか?」と問いかけたりするのです。

国税専門官採用試験に最終合格したら、希望するエリアの国税局の面接を受け、内定をもらって初めて国税専門官として活躍できます。

国に貢献でき、やりがいのある国税専門官の仕事

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国税専門官の仕事は、国税調査官・国税徴収官・国税査察官など異なる職種があり、個人の適性に合った職業を選べます。

公務員としての厚遇を受けられるほか、税務署長や国税庁職員などの地位を目指すことも可能です。

採用試験も国家公務員総合職ほど難関ではなく、社会科学系の勉強をしておけば、合格できる可能性は高いでしょう。