運航管理者とは?資格の取得方法・難易度・働き先・年収など紹介

当記事はPR広告が含まれております

航空機に関する仕事といえば、すぐに思いつくのはパイロットやキャビンアテンダントですが、陸上で縁の下の力持ちとして航空機の安全な運航を支えている人たちもいます。

その仕事の1つが、航空機運航管理者です。

運航管理者になるには国家試験に合格する必要があります。

今回は、運航管理者の資格取得方法、試験の難易度から年収までまとめてご紹介します。

本記事に関する補足

・本記事はManapが独自で制作したものですが、当サイトを経由してサービスの利用があった場合、掲載企業から紹介手数料を受け取ることがあります。ただし、紹介手数料の有無が本記事の順位や内容に影響を与えることはありません。また、コンテンツ制作については、コンテンツ編集ポリシーに沿って、読者の皆様に役立つ情報提供を心がけております。

運航管理者とは?

区分国家資格(必置資格)
カテゴリ航空
受験資格21歳以上、かつ実務経験2年以上
試験日程毎年6月・2月
試験方法学科試験・実地試験
試験会場東京・大阪・那覇
受験料学科試験:5,600円
実地試験:49,300円
登録・更新
難易度3.5
おすすめな人社会人

運航管理者の仕事を一言でいうと航空機の運航管理です。

航空法に基づいて安全な運航の確保のために、航空機の乗務員に適切な情報提供を行い必要な指示を出します。

旅客や貨物を輸送する航空会社には配置が義務づけられている職種です。

運航管理の仕事を大別すると、飛行計画の作成を行う業務と飛行監視業務に分けられます。

飛行計画の作成

飛行計画の作成には、航空機の目的地までの気流や風向きといった気象の分析があります。

その他、航空機の支援施設や自衛隊の訓練、乗客や貨物の重量などのあらゆる情報を分析して、もっとも安全で効率のよいルートを決定します。

燃料の積載量を決定するのも飛行計画の内です。

作成した飛行計画を機長に説明し、同意を得られれば正式に承認されたものとして国土交通省航空交通管制センターに提出されます。

飛行監視業務

飛行監視業務は航空機の離陸から着陸までを地上でモニターし、必要に応じて機長を支援する仕事です。

天候の急変や搭乗者の急病などの不測の事態が発生すると、飛行ルートの変更や代替空港の手配など緊急時の対応が求められます。

リアルタイムの運行や整備などの状況をデータ通信で航空機に送ることができ、GPSや衛星通信などの航空航法システムが実用化されても、人間による飛行監視業務は欠かすことができません。

コンピュータ化が進んだ現在では飛行前の情報収集が容易になったため、運航管理者の仕事は機長の支援に比重が移っています。

運航管理者の取得方法は?

運航管理者になるには、国土交通省が認定する運航管理者技能検定に合格する必要があります。

しかし航空会社などに就職しなければ、運航管理者の資格を活かすことはできません。

運航管理者は、航空会社などの運航管理を必要とする会社に入ることが前提となる特殊な資格です。

航空会社への就職には通常の採用試験を受けますが、運航管理者の学歴は大卒以上が多く、およそ9割が大卒者となっています。

経験を積んで取得するのが一般的

運航管理者になるまでの経路は、航空会社に就職して適性があると判断された人が、運航管理者の補助要員として経験を積み正規の運航管理者になるのが一般的です。

資格試験の受験資格は

  • 21歳以上
  • 操縦や気象業務などの実務経験2年以上

となっています。

運航管理者技能検定は年2回行われ、学科と実地の試験があります。

実地試験は学科の合格者のみとなります。

試験の場所は東京、大阪、那覇の3か所です。

運航管理者技能検定を受けて合格すると、運航管理者技能検定合格証明書が交付されます。

そのあとも運航管理者の補助要員としてさらに経験を積み、社内審査に合格すると正式な運航管理者になることができます。

運航管理者の難易度は?

試験内容
学科試験科目問題数時間
空中航法20問2時間
航空法規20問40分
航空気象20問1時間
航空工学20問1時間
航空通信20問40分
施設10問40分
実地試験天気図の解説
航空機の航行の援助

前述の通り運航管理者技能検定は、受験資格を得る段階で特殊です。

そのため、受験資格を得ること自体の難易度が高いといえます。

学科試験は6科目あり、それぞれ100点満点中70点以上が合格ラインです。

不合格になった学科があっても、1年以内なら合格している科目は免除になります。

運航管理者技能検定の合格率は非公開ですが、航空機に関する知識、無線通信に関する知識、気象に関する知識が必要なため試験自体の難易度が高いことは容易に予想できます。

国土交通省によると、2003年の時点で運航管理者として働いている人の数は670人でした。

運航管理者の働き先や年収は?

運航管理者は、全国の空港にある航空会社の支店に勤務しています。

外国の航空会社の空港支店や、日本の航空会社が乗り入れている海外の支店で働く場合には海外勤務になることもあります。

転勤をしたくなければローカルエアラインで働けば、その地域限定で働くことができます。

会社によっては地域限定の採用を行っている場合もありますが、基本給が安くなったりキャリアアップがしにくいなどの弊害もあります。

運航管理系の部署に配属になると、基本的には本人の希望がない限り他の部署への異動はありません。

不規則な勤務になることも

空港が主な勤務場所ですが、運航管理者の人数自体が少ないので、働ける場所が少ないことはそれほど問題ではありません。

日本に乗り入れる航空会社が増えたり、運航管理専門の会社など、航空会社以外でも働ける場所が増え、むしろ就職の選択肢は増加しています。

勤務は交替制が一般的で、会社によっては夜勤があります。

海外の空港や国際線の勤務では、航空機の発着に合わせるため不規則です。

大変な仕事ですが地上のキャプテンと呼ばれることもある運航管理者は、無事にフライトが終わる度に大きな充実感を味わえ、それがやりがいにつながるでしょう。

パイロットほど高年収ではない

運航管理者はほとんどが航空会社に勤務しているため、航空会社から給料を得ています。

そのため勤務先の会社はもちろん、正社員と契約社員などの働き方の違いや、年齢によっても年収は変わります。

大手の航空会社では一般的に総合職という括りで運航管理者を採用しているため、パイロットのような高額な年収を得られる職種ではありません。

平均すると330万円から470万円といったところが相場です。

しかし夜勤があれば手当がつき、運航管理者の国家資格を取得すれば資格手当もつきます。

会社員なので、年齢が上がれば徐々に年収もアップします。

運航管理者はこんな人におすすめ!

運航管理者は、縁の下の力持ちとして航空機の安全な運航に寄与したい人に向いています。

資格試験の受験資格では操縦や気象業務の経験などを問われるので、それらの仕事に2年以上従事している人なら資格が取りやすいといえます。

気象や航空機、無線機の知識がある人も、資格試験に合格しやすいでしょう。

航空機の安全な飛行の要となる運航管理者

運航管理者は華やかな仕事ではありません。

一般の会社員として、地道に働いています。

しかし、運航管理者なしに航空機を飛ばすことはできません。

飛行計画を立て航空機の離陸から着陸までを監視し、もしものときには融通無碍に対処します。

機長を助け、ときには指示を出して航空機の安全を守っているからこそ、運航管理者は地上のキャプテンと呼ばれているのです。