求職者支援制度とは?対象者・利用方法・受けられる講座など解説

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失業や廃業をしてしまい、再就職をしたいけれどなかなか就職先が決まらず困っている人にとっての心強い味方がハローワークです。

ハローワークには、再就職や転職を目指す人向けに「求職者支援制度」という制度があります。

この制度は条件を満たせば、給付金を受給しながら職業訓練を受けることができるという夢のような制度です。

この記事では、求職者支援制度の対象者や利用方法などを詳しく解説していきます。

求職者支援制度とは?

求職者支援制度は、就労希望の人や転職希望の人が就職するために必要な知識やスキルを無料で学ぶことができる制度で、2011年に創設されました。

求職者支援制度には、就労していない人の生活を支えるという目的もあり、条件を満たせば月に10万円の給付金を受け取ることが可能な制度となっています。

給付金を受け取るための条件は、次の通りです。

  • 制度を利用する本人の収入が月に8万円以下であること(シフト制での勤務などの場合、令和5年3月末までは特例として月に12万円以下)
  • 本人の収入だけでなく、世帯収入が月に40万円以下であること(令和5年3月末までの特例)
  • 世帯全体で所持している金融資産が300万円以下であること
  • 現在の住んでいる家の他に、土地や建物を持っていないこと
  • 講座への出席回数が8割以上であること
  • 世帯の中で、この制度を二人以上が同時に利用していない
  • 過去の3年間で、不正行為によって給付金を受給していない

このように、本人や世帯の収入・資産等に厳密な条件が課されていますので、自分の預貯金等を確認して受給対象になるかどうか確認しましょう。

求職者支援制度の対象者は?

求職者に対する支援を目的とした制度のため、この制度を利用できる人は「現在就労していなくて再就職の希望がある人」や「転職希望の人」となっています。

具体的な対象者の条件は次の通りです。

  • 雇用保険がなく(退職・失業時に保険が適用されなかったか、保険の受給が終わっている)、雇用もされていない人
  • フリーランスや自営業として働いていたが、廃業をした人
  • 一定の金額より少ない収入でパートやアルバイトとして働いていて、正社員としての雇用を目指す人

しかし、特例として就職や転職を目指すのではなく、現在の職業を継続しながらスキルアップを目指す人もこの制度を利用することが可能になっています。

なお、この特例は令和5年3月末まで適用されることになっています。

求職者支援制度の利用方法

求職者支援制度を利用するにはどうしたらよいのでしょうか。

ハローワークで相談

求職者支援制度を利用するためには、「働きたい」という意思や働くための能力があることを示さなくてはなりません。

そのため、ハローワークで求職を申し込んでいることも条件になっています。

まずはハローワークに行って相談をすることが、求職者支援制度を利用する第一歩です。

ハローワークの窓口で求職を申し込みたいことと、求職者支援制度を利用したいことを伝えましょう。

コース選択

ハローワークに相談をして、求職者支援制度を利用することになったら、次は受けたい訓練を選ぶことになります。

自分の就職・転職したい職業に合ったコースや、キャリアアップに適したコースを選択するようにしましょう。

具体的なコースの種類は後述します。

受講申込

受講申込に必要な書類を揃えて、ハローワークに持参します。

求職者支援訓練を受講するために提出する書類は次の通りです。

  • 運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなど、本人が確認できるもの
  • 受講申込書などの受講申込書などのハローワークで受け取った書類
  • 預貯金残高が50万円以上の通帳や残高が証明できるもの
  • 給与明細などの収入が確認できるもの
  • 家族の所得証明書などの世帯の収入が確認できるもの
  • 給付金を振り込む銀行・郵便局の通帳
  • 住民票
  • その他、必要に応じて提出を求められた書類

給付申請

また、給付金を申請するためにも書類が必要になりますが、こちらは求職者支援訓練が始まってから提出することになります。

必要な書類は次の通りです。

  • 給付金支給申請書
  • 就職支援計画書
  • 給付金を支給した記録が分かるもの
  • 事前審査通知書
  • 講習の遅刻・早退・欠席が証明できるもの

書類に不備がないように、申請書は正しく記入しましょう。

また、証明書を紛失しないように、適切に管理しましょう。

求職者支援制度の選考試験とは?

求職者支援訓練は申し込みをした人が全員受講できるわけではなく、訓練を受けるためには試験に合格する必要があります。

この選考試験には筆記試験と面接試験があったり、面接だけだったり、パソコンのスキルに関する試験があるなど、試験内容は試験を実施する訓練校によって様々です。

しかし、再就職や転職のために訓練を受ける人向けの試験ですので、難易度は高くないことが予想されます。

求職者支援制度でどんな講座が受けれる?

求職者支援制度には、職業訓練をするための様々なコースが用意されており、再就職や転職をするための新しい知識やスキルを学ぶことができます。

求職者支援訓練の主なコースは次の通りです。

  • 基礎コース(ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など)
  • ITコース(WEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など)
  • 営業・販売・事務コース(OA経理事務科、営業販売科など)
  • 医療事務コース(医療・介護事務科、調剤事務科など)
  • 介護福祉コース(介護職員実務者研修科、保育スタッフ養成科など)
  • デザインコース(広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など)
  • その他のコース(3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など)

これらのコースは、訓練の期間が2ヶ月から6ヶ月程度で設定されていますが、最短で2週間、最長で2年というコースもあります。

2週間のコースはシフト制で働いている人向けのコースで、令和5年3月末までの特例で用意されています。

2年間のコースは求職者支援訓練とは異なり、公共職業訓練というコースになります。

公共職業訓練は求職者支援訓練を終えても就職先が見つからなかった人向けのコースで、国や地方自治体が主体となって行う訓練です。

対象者や受講料などに関していくつかの条件がありますが、求職者支援訓練から連続して受講できるコースになっています。

公共職業訓練(ハロートレーニング)との違いは?

公共職業訓練は転職やキャリアアップを目指すために必要な知識やスキルを学ぶ講座であるという点では、求職者支援訓練と同じ趣旨の訓練だと言えます。

しかし、次のような違いもあります。

求職者支援制度 公共職業訓練
主な対象者 雇用保険の受給資格者でない労働者 雇用保険を受給している求職者
開講者 民間企業や学校、NPOなど 公共職業訓練校や委託された訓練機関
訓練内容 事務系や介護、医療、サービスなど 介護や事務、生産など

このように、趣旨は同じでも内容が異なるため、自分に合った訓練を選ぶことが大切です。

求職者支援制度を活用して、希望の職業に就こう

求職者支援制度は、無料で職業訓練を受けながら給付金も受け取れるという、受講者にとってメリットの大きい制度です。

再就職や転職を目指す人で、この制度の対象になっている人はぜひ利用を検討しましょう。

もし制度について不明な点があれば、まずはハローワークの窓口で相談してみるのが良いでしょう。

求職者支援制度を活用して、ぜひ希望する職業への就職を叶えてください。