潜水士とは?メリット・資格の取得方法・難易度など紹介

潜水士という資格をご存知でしょうか。

潜水士は様々な業務において需要がありますが、国家資格を取得しなければなれないため、競争率は高いです。

こちらの記事では、潜水士はどのような資格でどんな仕事をするのか、資格を取得するために学ぶべき内容や試験の難易度などの他、どんな人に向いているのかも見ていきます。

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潜水士とは?

区分 国家資格
カテゴリ 海・船
受験資格 無し
(免許交付は18歳以上)
試験日程 年4回
試験方法 筆記試験
試験会場 全国各地
受験料 7,800円程度(受験地により異なる)
登録・更新 なし
難易度 2.5
おすすめな人 学生 社会人

潜水士は、海や河川、湖などの水場に長時間潜ってさまざまな作業を行うプロフェッショナルです。

活躍の場所や業務内容は多岐にわたり、潜水士の資格を取得した海上保安官は災害や事故などでは海難救助を行いますし、港湾関係では水中での土木作業や海洋調査などに従事することもあります。

また、沈没船の引き上げや水産物の収穫などに携わることもあるなど、同じ資格を持っていても進む道はかなり異なるでしょう。

水中での長時間作業が多いため、潜水器やボンベといった装置の扱いはもちろん、水圧による減圧症や窒素酔い、水温による体温低下など様々な知識や対応方法に熟知していなければなりません。

そのため、潜水士は労働省が実施する国家試験に合格しなければならないとされています。

業務として潜水作業を行うには必ず潜水士の資格を取得していなければならず、試験内容も権限もダイビングのインストラクターが有している認定証(Cカード)とは全く異なるものです。

潜水士は国家資格でCカードは民間資格ですが、潜水士の資格があればCカードと同等の権限があるわけではありません。

国内で潜水作業に必要不可欠なのは潜水士の資格ですが、国内外でスキューバダイビングを楽しみたいときには潜水士よりもCカードを取得しているかどうかが重視されます。

地域によっては、趣味でスキューバダイビングをする時ですらCカードの取得を義務付けられていることもあるほどです。

潜水士を取得するメリットは?

潜水士の資格を取得することで得られるメリットは、潜水作業が必要な職業に就けるということです。

また、潜水士は国家資格として認められているので、どのような仕事をしていても一生資格としてアピールすることができます。

資格取得者もそれほど多くないので水中作業が必要な企業からは高い需要があります。

例えば、以下のような仕事に就きたい場合には潜水士の資格を保有しておくとかなり有利になるでしょう。

ダイビングインストラクター

ダイビング自体は民間資格であるCカードが必要ですが、インストラクターとして初心者に教える場合は危険回避のために潜水士の知識を求められることも多いです。

職場にもよりますが、中には潜水士の資格がない場合はインストラクターとして働けないことがありますので、Cカードとあわせて取得しておくと良いでしょう。

海上自衛隊・海上保安庁

国家公務員として海上自衛隊や海上保安庁に勤務する場合、まず採用試験に合格しなければなりません。

採用された後、事務官として働くことも可能ですが、潜水士の資格を取得していれば救助活動などに直接かかわることも可能です。

海上自衛隊や海上保安庁は仕事柄海難救助に関わる可能性が高いため、潜水士の資格を持っていることで採用試験でも評価されるでしょう。

建設会社

建設会社の中でも、水中作業を業務として請け負っているところでは潜水士の資格を有している作業員は必要不可欠です。

採用に資格が必要なので競争率が低くなりがちというメリットはありますが、作業内容によっては他の資格も必要なケースも見られますので、就職活動をする際にきちんと確認しておきましょう。

海洋研究等

海や川に関する研究をする場合、調査や研究対象の収穫などで潜水士の資格が必要です。

研究職ではその内容に関する知識も必要とされることが多いため、どれくらいの知識や何の資格が必要なのか確認しておきましょう。

潜水士の取得方法は?

潜水士の資格試験は毎年1月、4月、7月、10月の4回、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州の各ブロックで実施されています。

実際に潜水具を使用して潜水するような実技試験は行われず、筆記試験のみで合否が決まるため、極端な話、泳げない人や潜水の経験がない人でも合格することは可能です。

また、年齢制限も設けられていないので、幼児や小学生が資格を取得することも不可能ではありません。

とはいえ、免許の交付が18歳以上と定められているので、現実的には18歳以上の人が受験することになるでしょう。

潜水士の試験科目は4教科あり、午前と午後に分けて受験します。

午前中は潜水業務と送気、潜降及び浮上に関する試験、午後には高気圧障害と関係法令に関する試験を受けて、終わるのは17時半です。

潜水士の難易度は?

受験者数 合格率
2020年 7,615人 76.5%
2019年 7,236人 75.8%
2018年 6,015人 81.2%
2017年 6,557人 82.6%
2016年 6,778人 86.0%

潜水士の難易度は、国家資格の中でもそれほど高いものではありません。

試験前に計画立ててきちんと学習しておけば全く潜水士に関する知識がない人でも比較的容易に合格を目指すことができます。

合格率は例年80%程度ですが、年齢などの受験に関する制限がないことを加味すると高い方であるといえるでしょう。

どちらかと言えば、実施試験のあるCカードの方が、難易度が高いといわれています。

とはいえ、ほとんど努力もせずに合格できるほど容易な試験でもありません。

合格するには4科目全ての合計点が60点以上であることに加え、各科目で40%以上得点しなければならないため、苦手科目を無視して得意科目だけを伸ばすという勉強方法では合格は困難です。

苦手をなくしてまんべんなく点数を取れるような学習を心がけるようにしましょう。

潜水士はこんな人におすすめ!

潜水士の資格は国家資格ではありますが、どの分野でも潰しがきくような万能の資格とはいいがたいです。

しかし、水中で作業をするような仕事に就きたいと考えている人、既に水中業務に携わる職種に就いている人にとっては必要な資格の一つですので、ぜひ取得を目指しましょう。

具体的には、ダイビングインストラクターの人や将来的に海上自衛隊や海上保安部、水中作業を行う企業や研究所などで働きたい人、潜水具を身につけることが多い人に特におすすめです。

また、趣味で潜水することが多い人にとっても、いざというときに冷静に対処できるような知識が身につくので、資格取得を目指して学習を始めると良いでしょう。

水中作業に関わりたいなら必須の資格

このように、水中作業が必要な仕事に就きたいのであれば、潜水士の資格は必要不可欠です。

また、潜水具の使い方や水圧による障害など、潜水で知っておくべき内容を学ぶことができますので、挑戦する価値はあるでしょう。

国家資格ではありますが、実技が必要ないのできちんと学習しておけば合格できる可能性が高いのも魅力です。