食品衛生管理者とは?メリット・資格の取得方法・難易度など紹介

食品衛生管理者という資格を知っていますか?

食品衛生管理者は、食品衛生法において、特定の食品・添加物の製造や加工を行う施設に置くように義務付けされています。

飲食業に関わる人にとって必要性の高い資格の一つでしょう。

この記事では、食品衛生管理者について、そのメリットや取得方法、難易度などについてくわしく解説します。

本記事はプロモーションが含まれています
本記事を経由してサービスの利用があった場合、掲載企業から紹介手数料を受け取ることがあります。ただし、紹介手数料の有無が本記事の内容や順位に影響を与えることはありません。コンテンツ内容に関しては、Manapが独自で制作したものです。(コンテンツ編集ポリシー)

食品衛生管理者とは?

区分 国家資格
カテゴリ 食品
受講資格 ・高校卒業相当以上で、実務経験3年以上
講習日程 開催地により異なる
試験方法 講習・修了試験
試験会場 全国各地
受験料 30万円程度(講習により異なる)
登録・更新 なし
難易度 2.5
おすすめな人 学生 主婦 社会人

食品衛生管理者は、食品営業者または飲食店や飲食物の製造・加工する施設で働く人に必要とされる国家資格です。

食品衛生法第48条の規定では、食品衛生法施行令第13条の下記に示す食品を製造又は加工する施設において、食品衛生管理者を配置するよう義務付けています。

  1. 全粉乳、加糖・調製粉乳
  2. 食肉・魚肉のハム・ベーコン・ソーセージなど
  3. 放射線照射食品・食用油脂類やショートニングなど
  4. 添加物など

これらの食品は、私たちが口にする機会のあるものばかりですが、それを取り扱う施設には、必ず食品衛生管理者が働いているということです。

また、食品衛生管理者になるためには、食品衛生法第48条第6項に基づく資格が必要になります。

資格要件については、下記のいずれかに該当する必要があります。

  1. 医師・歯科医師・薬剤師または獣医師である者
  2. 大学または専門学校(医学・歯学・薬学・獣医学・水産学・農芸化学・畜産学)を修了後卒業した者
  3. 厚生労働大臣の登録の養成施設(大学の食品衛生学コースなど)において課程を修了した者
  4. 中等教育学校・中等学校もしくは高等学校などを卒業し、食品衛生管理者の設置を義務付けられた施設において業務に3年以上従事し、厚生労働省登録の講習会の課程を修了した者

食品衛生責任者との違いは?

一方、食品衛生法で決められた施設には、食品衛生責任者を配置することも義務付けられていますが、食品衛生管理者との違いは何でしょうか?

まず、食品衛生責任者は、食品を製造・販売するすべての事業所で配置することが決められている有資格者です。

ただし、食品衛生管理者とは違い、自治体が管轄する公的な資格であるという点で区別するといいでしょう。

食品衛生責任者は、食品製造施設や販売店など食品に携わる業務を行う施設において、必ず一人の配置が必要とされます。

チェーン店など複数の店舗を経営する人が食品衛生責任者の資格を持っていたとしても、複数店を兼務することができません。

そのため、販売や製造といった部門ごとに食品衛生責任者の資格者を置くことが義務付けられています。

また、食品衛生責任者を配置できなければ開業できなくなってしまうので、食品を一つでも扱っているお店の開業を目指す場合も必要な資格者でしょう。

食品衛生管理者を取得するメリットは?

以上のように、既定の施設内には食品衛生管理者の設置が義務づけられています。

そのため、食品衛生管理者には食品を取り扱う企業からの需要もあるようです。

昇進の条件として資格取得を掲げている企業も少なくないため、管理職を目指している人であれば取得を目指すといいでしょう。

また、食品衛生管理者の資格を持っていることで、転職の際有利になることもメリットの一つです。

食品衛生管理者の取得方法は?

講習を受けて取得

食品衛生管理者の資格は、試験を受けて取得するのではなく、講習を受けて修了することによって初めて取得できる資格です。

それは、常に食品を取り扱う施設の衛生状態を保ちながら、食中毒などの発生がないように管理に気を付けることや、食品衛生法に則って食品の製造をし、正しく取扱いできるように従業員に指導を行うことが、食品衛生管理者の業務として求められているからです。

つまり、資格を取得するためには、正しい知識を養うための学習も必要ということでしょう。

ただ、食品衛生管理者の資格を取得するための講習会には受講条件もあるので、確認してください。

受講条件

食品衛生管理者の資格取得講習会の受講条件としては、まず、高等学校もしくは中高一貫校卒業か、厚生労働省令で定める同等かそれ以上の学力があると認められる者である必要があります。

また、50名以上の製造業・加工業で食品若しくは添加物の製造か加工の衛生管理業務に3年以上携わったことも必要な条件です。

つまり、以上の二つの条件を満たす人が食品衛生管理者の講習を受講することができます。

そして、食品衛生管理者の資格については、以上の受講条件があって講習を修了すれば取得できると考えていいでしょう。

食品衛生管理者の難易度は?

では、食品衛生管理者の資格を取ることは難しいのでしょうか?

講習では、一般的に1~2ヶ月間の受講期間で、一般科目(132時間以上)と専門科目(50~70時間以上)を学習します。

主な学習内容

一般共通

乳製品関係科目

食肉製品関係科目

添加物関係科目

公衆衛生概論

食品衛生法及び関係法令

食品、添加物等の基準規格

化学概説

細菌学序論

毒物学

食中毒学

食品学(栄養学を含む)

施設における衛生管理など

この講習を終えたあと、テキストを持ち込んでの試験があるので、それに合格することが必要になります。

講習内容をみると、合格できるか不安になる人もいるかもしれませんが、合格率はほぼ100%です。

講習をさぼることなく受講することで、講習会の参加者全員がほぼ合格できるため、難易度はそれほど高くありません。

先ほど説明した受講要件を満たしていて講習を受講し修了していれば取得できる資格といえるでしょう。

食品衛生管理者はこんな人におすすめ!

食品衛生管理者は、まず施設内の衛生管理を徹底させることが求められるでしょう。

そのため、自らが清潔への意識が高く、小さなことも見逃さないように忠実に仕事に取り組める人が向いています。

また、業務を遂行する上で従業員に対する指導力やコミュニケーション力も必要とされるでしょう。

もし、食中毒が発生してしまったら、業務に支障をきたす可能が高くなります。

日ごろから衛生管理を怠ることなく、確実な業務の遂行やチェックを怠らない責任感のある人が向いているかもしれません。

活躍の場を広げるための資格

食品を消費者に届ける前に、きちんと品質管理をすることや衛生的な製造を行うための資格が食品衛生管理者と言えるでしょう。

食品衛生管理者は、受講要件を満たして講習を受ければ、誰でも取得できる資格です。

また、食品を取り扱う企業であれば、職種や部門に関わらず必要とされる機会の多い資格でしょう。

活躍の場を広げるためにも資格取得を目指してみてください。