管理栄養士とは?役割・仕事内容・栄養士との違い・なるための方法は?(管理栄養士が執筆)

学び

健康志向の高まりから、メディアでも管理栄養士が登場する機会が多くなりました。

管理栄養士というと、食の専門家というざっくりとしたイメージが浮かぶけど、詳しくはあまり知らないという人が多いのではないでしょうか?

今回は、管理栄養士の立場から、管理栄養士の資格や仕事内容について詳しく説明します。

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管理栄養士って?

管理栄養士は国家資格

管理栄養士は、栄養の指導を行う専門家であり、厚生労働大臣が認定している国家資格です。

栄養に関する高度な専門知識と技能を用いて、病院や学校給食、企業など幅広い業種で業務を行います。

高度で幅広い栄養管理

栄養に関する高度な指導や栄養管理を行う管理栄養士は、栄養管理の対象者を幅広く指導する事ができます。

スポーツ選手など個々のパフォーマンス向上のためのサポートから、怪我や病気で治療を行う人に対しての細かな栄養指導まで対応できる職業です。

日本栄養士会
https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

管理栄養士の役割は?

管理栄養士の役割は、時代の流れとともに変化しています。

現代では、生活習慣病が大きな問題となっていることから、管理栄養士による指導がより求められています。

2008年には、「特定健康診査および特定保健指導」が制度化されたことも、管理栄養士が必要とされる機会となり、役割はますます重要なものとなってきています。

管理栄養士という名前から、堅苦しさを感じる人もいるかもしれません。

しかし、管理栄養士にとって大切な役割は、「すべての人が健やかに過ごせるよう、食を通じてサポートする」ということです。

幅広い知識と技能が求められますが、だからこそ対象者の年齢や状態問わず、栄養管理を対応することができるのです。

厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-022.html

管理栄養士の仕事内容は?

管理栄養士の主な仕事は、専門的な知識と技能を用いて、

  • 栄養指導
  • 給食管理
  • 栄養管理

を行うことです。

管理栄養士は、働く業種によって仕事内容が大きく変化します。

それぞれの業種で、管理栄養士に求められる業務が違い、専門的知識や技能を大いに活かす業種もあれば、食の専門家という視点から、食のニーズや動向を把握することが求められる業種とさまざまです。

「食の専門家」として、柔軟な対応と知識が求められる管理栄養士は、常に食の動向に目を向けることが大切です。

管理栄養士の働き先は?

「食」という幅広い分野で活躍する管理栄養士は、働く業種も幅広いことが特徴です。

管理栄養士の就職先としてもメインとなるのは病院ですが、それ以外にも活躍の場が多くあります。

全国栄養養成施設協会
https://www.eiyo.or.jp/about.html

病院

病院で勤務する管理栄養士にまず求められることは、病状に合わせた栄養指導、栄養管理です。

患者さんの状況を細かく把握することで、個々に合わせた栄養指導を行います。

チーム医療を行う上で、コミュニケーションをとりながら、病院内の他業種との連携をしていくことも求められます。

他にも施設によっては、糖尿病教室など、管理栄養士が講座を開いてグループ指導をする機会もあります。

学校給食

学校に調理場がある自校給食の学校、いくつかの学校の給食をまとめて作るセンター給食の施設で主に勤務します。

献立作成や食材の発注の他に、厨房では、調理指導、衛生管理など多岐にわたる業務があります。

残菜の量から、次回の献立内容の改善や調理の工夫を行い、より美味しく、より栄養のある献立に仕上げていくことも管理栄養士の仕事です。

学校栄養職員や栄養教諭として、子どもたちに食育をする機会もあり、成長期の子どもたちの栄養のサポートをする事も大切な業務です。

福祉

保育園では、離乳食や場所によってはアレルギー対応などを行います。

食育の機会も設けられ、幼児に食の大切さを教えるのも栄養士の役目です。

高齢者施設などでは、高齢者や嚥下障害のある方に対して流動食やきざみ食の対応など、さまざまな食の形態の対応が求められます。

一般企業

メーカーや飲食関係の企業、研究機関などに属して、商品の研究開発に携わったり、工場の衛生管理、食品の分析などの業務があります。

必ずしも管理栄養士の資格が必要という業務ばかりではありませんが、食の専門家である管理栄養士の活躍の場はとても広いです。

新しい商品を生み出していく過程では、ニーズに合わせた商品提案が求められ、食のトレンドを掴んでいくことも仕事をしていく上での大切なポイントとなります。

事業所給食

社員食堂での献立の作成から調理を主に行います。

企業によっては、社員の健康相談を受けるなど、働く世代への食事指導をします。

生活習慣病などの予防を食事を通じて行うことも管理栄養士の役目です。

働き盛りの世代が主に対象の事業所給食では、栄養バランスの良い献立はもちろんのこと、食のニーズを掴み、季節感や満足感のある献立の工夫をしていくことも求められます。

行政

行政機関で働く栄養士は、公務員試験に合格した上で、地方自治体や保健所や保健センターで、地域の住民の健康増進をサポートします。

離乳食教室や減塩のための料理教室など、それぞれ地域の健康課題の解決のため、さまざまな取り組みを行います。

こうした取り組みが、地域社会への貢献となり、行政で働く栄養士の大きな役目です。

スポーツ栄養

スポーツ選手の体づくりやコンディションを整える食事の提供、日頃の食事指導を行います。

スポーツの種類や、選手の体格に合わせた栄養管理や食事指導が必要となるため、一般の人を指導するよりも、運動や体の構造に関する知識など専門的な知識が求められます。

そのため、まず病院などで管理栄養士としての経験を積んでから、スポーツ選手の食事指導を行う立場となる人も多くいます。

その他、スポーツ選手だけではなく、スポーツジムやフィットネスジムで勤務し、一般の人向けに体作りを食事面からサポートする仕事もあります。

フリーランス

企業や施設で仕事を行うだけでなく、病院や給食施設で経験を積んだあとに独立し、フリーランスとして働く選択肢もあります。

ひとくくりにフリーランスで働く栄養士といっても、仕事内容はさまざまです。

料理教室や書籍出版、レシピ開発、栄養相談など食にまつわる仕事を中心として、個人の得意分野や個性を活かしてかして仕事をします。

栄養士との違いは?

資格の取得方法の違い

管理栄養士が厚生労働大臣認定の国家資格であるのに対し、栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格となります。

栄養士資格は、栄養士養成学校を卒業することで取ることができ、特に試験を受ける必要はなく、卒業と同時に免許が取得できます。

管理栄養士は、その栄養士免許を取った上で取得を目指せる資格です。

仕事内容の違い

栄養士は、主に健康的な人を対象に栄養指導や食事管理をします。

それに対して、管理栄養士は、怪我や病気をもつ人も含めて栄養改善や指導をする事ができます。

栄養士と管理栄養士とでは、栄養管理ができる対象の幅が違うため、仕事内容によって管理栄養士でないと行うことができない業務もあります。

特定健康診査・特定保健指導の仕事もその一つです。

SGS総合栄養学院
https://sgs.liranet.jp/kanrieiyoushi/

管理栄養士になる方法は?

養成校卒業後、国家試験に合格

管理栄養士養成課程、または栄養士養成課程のある養成校に入学し、定められた専門課程を修得して卒業することが必要です。

管理栄養士になるには、栄養士免許を取得することが前提で、その上で国家試験に合格すると管理栄養士免許を取得することができます。

実務経験が必要になる場合も

栄養士養成課程のある学校を卒業し、その後、管理栄養士免許を取得したいという場合には実務経験が必要です。

実務経験の年数は卒業した学校の修業年数によって変わります。

管理栄養士養成課程のある学校を卒業した場合は実務経験は必要なく、卒業と同時に管理栄養士国家試験を受験することができます。

日本栄養士会
https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

管理栄養士になって良かったことは?

管理栄養士は学校を卒業し、さらに国家試験に合格することで得られる資格のため、道のりは決して楽ではありませんが、だからこそ信頼度の高い資格です。

認知度も高い資格のため、食関連の仕事において活躍の場が大きく広がります。

仕事面だけではなく、自分の食事管理や家族や大切な人の栄養管理もできるというのは、なにより良かったことです。

食事は誰にとっても必要であり、その人の活力になります。

管理栄養士は、身近な人から幸せにできる資格であり、自分自身にとってはプライベートにおいても、仕事においても充実させることのできるワークライフバランスに適した資格です。

管理栄養士はこんな人におすすめ!

「食」という分野に大きく関わる資格であるからこそ、食に関心があり、食べることや食事を作ることが好きな人におすすめです。

管理栄養士は、身に付けた知識と技能を活かして、病気を持つ人から、スポーツ選手など身体機能を高めたい人まで応用力が求められます。

日々の食事やニーズに関心を持てるということが、管理栄養士の腕を磨いていくことに繋がります。

管理栄養士は、コミュニケーション能力が求められることが多々あります。

特に病院や学校給食など、大勢の対象者への食事の提供や栄養管理をする上では、食事を提供する側の人員も多く、連携して業務を行うことが必要不可欠です。

どの現場で働くかによっても、もちろん環境は変化していきますが、「人と関わることが好き」という人にも向いている職業です。

まとめ

管理栄養士は資格取得まで、多くの学びが必要ですが、それを乗り越えた先には、多くの人の役に立てる知識と技能の基盤が身につきます。

自分自身の人生においても価値のある資格です。

そして、管理栄養士は資格を取った後も、学び続けることがなにより大切です。

栄養学という分野もまだまだ新しい発見のある学問です。

誰にとっても、一生必要となる「食」について年々関心が高まってきています。

社会の役に立ちつつ、日々の生活においても知識を生かせる管理栄養士。

日々をより充実させたい人におすすめの資格です。

記事の執筆者
いまむら ゆい

管理栄養士、お野菜レシピ考案家。
レシピ提供、フードスタイリング、コラム執筆、料理教室など野菜に関する分野を中心に活動。
Instagram【 #ぽんレシピ 】で100レシピ以上公開中。
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