日本語教育能力検定試験とは?受検するメリット・試験内容・難易度などを紹介

学び

実は日本語教師になるための特別な資格はありません。

しかし、文化庁が定めたガイドラインでは3つの条件が決められており、実際に日本語教師として働くには、いずれかを求められることが多くなっています。

その条件の一つというのが、日本語教育能力検定試験に合格することです。

今回は、日本語教育能力検定を受験するメリットや試験内容などを詳しく解説していきます。

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日本語教育能力検定試験とは?

日本語教育能力検定試験とは、日本語教育に必要な知識・能力を測る試験のことです。

1988年にスタートした検定で、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が年1回のペースで実施しています。

試験に合格するには、日本語教育に関する専門知識や現場対応能力が必要です。

また、日本語を教える知識だけでなく、日本文化や生活習慣などの知識も求められます。

実際は日本語教師として働くために、必ずしも必要となる検定ではありません。

しかし、多くの日本語学校では、日本語教育能力検定試験の合格や日本語教師養成講座420時間コース修了などを採用条件としているところが多い傾向にあります。

受検するメリットは?

就職の選択肢が増える

日本語教育能力検定試験を受けるメリットの一つは、就職の選択肢が増えることです。

この検定の合格は、国内の日本語学校で働くための条件の一つとなっています。

また、日本語学校は日本国内だけでなく、海外の日本語学校や社会人に教える日本語学校など様々な種類があります。

試験に合格すれば、これらの学校に就職できる可能性が高まるでしょう。

日本語の知識を証明できる

日本語教育能力検定試験に合格すると、日本語の知識を持っていることを証明できます。

この試験の内容は、大学の日本語教員養成の副専攻課程と同程度とされているからです。

そのため、大学の日本語教育を専攻したり、日本語教師養成講座を受けなくても日本語教師になる資格を得ることができます。

費用をなるべく抑えながら、日本語教師に必要な知識を証明できる検定と言えるでしょう。

試験の内容について

受検資格は無し

日本語教育能力検定試験の受検資格は特に制限されておらず、基本的に誰でも受検することが可能です。

時期は毎年10月頃と決まっており、検定試験は全国各地の会場で行われます。

受験料は14,500円(税込)で、願書書類付きの受検案内が受付期間中に全国の主要書店で販売されます。

例年7月頃から願書の受付がスタートし、8月上旬頃の締め切りです。

願書の提出が遅れないように、余裕を持って書類の準備をするようにしましょう。

出題範囲について

出題範囲は次の5つとなっています。

  • 社会・文化・地域:国際社会の実情や日本語教育の歴史など
  • 言語と社会:言語教育や異文化コミュニケーションなど
  • 言語と心理:教育現場での問題解決力など
  • 言語と教育:言語教育法など
  • 言語一般:日本語の構造やコミュニケーション能力など

3分野で構成

検定試験は、試験I・試験II・試験IIIという3つのカテゴリーで構成されています。

試験Iは解答時間90分、配点は100点で、出題範囲の区分ごとに、日本語教育に繋がる基礎知識が出題されます。

試験IIは解答時間30分で、配点は40点です。

音声を媒体にした出題形式で、マークシートで解答します。

試験Iで必要な基礎知識に加え、基礎的な問題解決能力についても問われます。

試験IIIは解答時間120分で、配点は100点です。

熟練した日本語教員に必要な現場対応能力に繋がる知識を測定します。

合否の結果は受検者全員に文書で届くとともに、合格者には合格証書が交付されます。

難易度について

日本語教育能力検定試験の合格ラインは、正式には発表されていませんが、一般的には240点満点中165点前後と言われています。

JEESが発表しているデータによると、令和元年の合格率は約28.2%、令和2年は約28.9%でした。

例年合格率は30%未満のため、検定試験の難易度は比較的高いと言えるでしょう。

ですが、しっかり事前準備をしておけば、合格する可能性はあります。

参考書やテキストは書店で購入できるため、独学で勉強することも可能です。

しかし、出題範囲が広く専門的な内容を勉強する必要がありますので、独学で合格を目指すのは少しハードかもしれません。

確実に合格したいのであれば、通信講座などを利用して学習することをおすすめします。

また、過去問を何度も解いて出題パターンを把握することも効果的です。

過去問で自分の苦手分野が分かった後は、その分野を重点的に勉強しましょう。

活躍の場所は?

民間の日本語学校

日本語教育能力検定試験で培った知識は、民間の日本語学校で活かすことが可能です。

民間の日本語学校では日本語を教えるだけでなく、留学生の生活相談に乗ったり、進学や就職サポートなどに対応するケースもあります。

また、それぞれの国の文化や宗教などに配慮しながら、日本の文化や社会常識を教えることが必要です。

日本人には当たり前なことを質問されることが多いですので、幅広い分野の深い知識が求められるでしょう。

教育機関

小学校や中学校、高校、大学などの教育機関でも勤務可能です。

国内の教育機関では、日本語が母語ではない日本在住の子ども達に日本語を教えます。

日本語の専任教師として働くこともありますが、他の教科を教える必要がある場合は教員免許が必要です。

また、大学の場合は学内の留学センターなどに勤務し、留学生を対象に日本語の授業をしたり、生活指導を行うこともあります。

海外の教育機関で働く際は、学位やその国の教員免許が求められることが多い傾向にあります。

そのため、その国の大学や大学院に留学し、教育課程を修了することが必要です。

その他

日本語教育能力検定試験に合格した方の中には、フリーランスの日本語教師として活躍する方もいます。

近年、オンラインでの日本語レッスンの場が増えてきており、直接会わずにレッスンすることが可能になりました。

オンラインレッスンを活用すれば、日本にいながら海外に住む生徒に日本語を教えられます。

自分の好きな時間に日本語レッスンができるため、徐々にオンラインレッスンの需要も増えてきています。

また、海外ではボランティアの日本語教師として活躍する方も少なくありません。

ボランティアに参加すれば、日本語教師としての経験を積むことができるでしょう。

日本語教師として活躍しましょう!

今回は、日本語教育能力検定試験について解説してきました。

日本語教育能力検定試験は、年齢や学歴問わず誰でもチャレンジできる試験で、日本語教師を目指すのであれば非常に重要な試験と言えます。

日本語教育能力検定試験に合格して、日本語教師として活躍しましょう。

この検定に興味があれば、ぜひ一度挑戦してみてください。