水先人とは?メリット・資格の取得方法・難易度・おすすめな人など紹介

水先人という資格を知っていますか?

船舶が海を安全に航行できるように、船長をサポートする専門家が水先人です。

日本に輸入される資源の多くは船舶によって運ばれているため、人々の生活を支えている重要な職業です。

この記事では、水先人がどのような仕事をしているのか、またその取得方法や難易度などについて解説していきます。

水先人とは?

区分国家資格
カテゴリ車・船・航空
受験資格・乗船履歴1年以上(級により年数は異なる)
・三級海技士(航海)又はこれより上位の資格
試験日程毎年3回程
試験方法身体検査・筆記試験・口述試験
試験会場札幌・仙台・横浜・名古屋
大阪・神戸・博多
受験料身体検査:3,450円
筆記試験:9,700円
口述試験:11,900円
登録・更新5年ごとに要更新
難易度4.0
おすすめな人社会人

水先人は港や水域の事情を熟知する専門家です。

海上では波、風、潮流などが急に変化し、地形や水路が複雑な水域も多く存在するため、船舶の操縦には多くの危険が伴います。

多数の船が行き交う中、船長一人だけで全ての水域や港の状況を把握し、航行することは困難です。

そこで、船舶が多く行き交う水域を航行する際や入出港の際には、各地の水域の事情に精通する水先人がサポートすることによって、安全な航行を支えています。

水先人が乗船した場合の安全率は、乗っていない場合の約9.7倍にもなり、多くの海難事故を未然に防いでいます。

級位は3つ

水先人の管轄は国土交通省で、一級から三級までの等級別になっています。

職務を行う区域ごとに免許が必要であり、免許を受けた区域のみで業務を行うことができます。

級ごとの業務可能な区域は下記の通りです。

  • 一級:日本全国全ての区域
  • 二級:東京湾、伊勢三河湾、大阪湾、内海、関門、秋田船川、島原海湾、那覇
  • 三級:東京湾、伊勢三河湾、大阪湾、内海、関門

水先人のメリットは?

給与が高い

水先人のメリットとしては様々ありますが、まず給与が高いという点です。

三級水先人でも年収600~800万円は見込め、一番等級の高い一級水先人になれば、年収2000万円前後になることもあります。

多くの水先人は独立して個人事業主であり、月に10~15日働くだけで年収1000万を超えるケースもあります。

長く仕事ができる

また、長く働けるという点もメリットの1つです。

健康であれば70歳を過ぎても働くことができ、やりがいをもって仕事をしながら、長く安定した収入を得ることができます。

働き方に融通が利く

先ほど述べたように、水先人の多くは個人事業主です。

各区域で組合組織が作られており、そこに所属することで業務ができます。

船舶からの要請に応えるために待機する水先人は必要であるため、自由に休みが取れるというわけではありません。

ただ、水先人同士が協力して仕事を回しているため、まとまった休みが取りやすく、自分の趣味にも時間をかけられるでしょう。

水先人の取得方法は?

水先人の資格を得るためには、国家試験に合格するほか、それぞれの級の要件を満たし、水先人養成課程を修了する必要があります。

日本では、兵庫県にある海技大学校のみでこの過程を行っています。

水先人養成課程

水先人養成課程を履修するためには、級ごとの要件を満たしていなければなりません。

三級海技士以上の資格をもっており、かつ級ごとに定められた一定の乗船履歴があることが要件です。

養成課程には、全ての区域に共通な水先区共通教育と、各区域で内容が違う水先区個別教育があります。

個別教育は、共通教育が修了し、国家試験の筆記試験に合格することで、受けることができるようになります。

全ての過程が終わった後、養成課程の修了試験が行われます。

養成課程の期間の長さは級によって異なり、級が高いほど短いです。

国家試験

水先人の国家試験は、身体検査と学術試験に分かれます。

身体検査は、学術試験の前に行われ、視力・弁識力・聴力・疾病及び身体機能の検査になります。

学術試験は、筆記試験と口述試験に分かれます。

筆記試験は、水先区共通教育の履修中に、口述試験は水先区個別教育の履修中に行われます。

実施は年に1回で、筆記試験は5月中旬から6月中旬の2日間、口述試験は11月から翌年の1月までの指定日に行われます。

昇級も可能

初めて水先人の資格を得る場合ではなく、二級または三級の資格を持っているならば、一定期間以上の実務経験と養成課程の修了で国家試験の受験資格を得ることができます。

例えば、二級水先人として2年以上の実務経験があり、3か月の養成課程を修了できれば、一級水先人の国家試験の受験資格を取ることが可能です。

水先人の難易度は?

水先人の資格の難易度はとても高いです。

国家試験の合格率などの詳しいデータは公表されていませんが、例年100人ほどが受験し、80人前後が合格しています。

そのため、試験だけであれば、難易度はそこまで高くないように見えます。

しかし、受験資格を得るまでにも膨大な時間と経験が求められ、多くの段階を踏まなければなりません。

水先人になる道は長く険しく、狭き門だといえるでしょう。

水先人はこんな人におすすめ!

冷静な判断ができる人

海は常に危険と隣り合わせの場所です。

急な天候の変化などで危険な状態になった時でも、水先人は海の安全を守るために冷静に状況を把握し、判断しなければなりません。

そのため、急な変化が起きても冷静沈着に対応し、判断ができる人に向いているでしょう。

コミュニケーション能力・英会話能力がある人

水先人は、特定の船にずっと乗るわけではなく、様々な船に乗り込んで業務を行います。

そのため、船ごとの船長や乗組員と上手くコミュニケーションを取り、連携する必要があります。

また、水先人の乗船する船の多くは外国船であるため、船長などとの情報交換は英語で行われることが多く、英語でのコミュニケーションを円滑に進める必要もあるでしょう。

相手に気配りをしながら、意思を上手く伝えられるコミュニケーション能力や英会話能力のある人に向いています。

海や船が好きな人

水先人になるには、海や船に関する深い知識を持っていなければなりません。

国家試験では、気象や海象、操船技術、国際通信信号知識など、幅広いかつ正しい知識を要求されます。

そのため、海や船が好きで、自ら勉強し知識を得ようと努力できる人に向いているでしょう。

やりがい・充実感を得たい人

海難事故を未然に防ぎ、安全な航行を支えている水先人の業務は、難しく厳しい作業を求められることも多く、常に緊張感があります。

それゆえに、仕事を達成できた際に得られる充実感は大きく、やりがいのある仕事です。

仕事を通してやりがいや充実感を得たいという人に、水先人は向いているでしょう。

まとめ

水先人は、船舶を安全に航行させるためのサポートを行い、船や港の安全を守っている専門家です。

この仕事には、海に関する深く幅広い知識と冷静な判断力が求められます。

資格を得るための道は難関ですが、仕事のやりがいや充実感は大きく、安定した収入が魅力的な職業です。

海や船が好きで、それに携わる仕事をしたいと思っている方は、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。