海技士とは?取得方法・資格の難易度・活かせる仕事・おすすめな人など紹介

「海技士」という言葉を聞いたことがありますか?

海技士は、大型船に乗り込み、船舶職員として働くために必要な免許です。

この記事では、海技士の取得方法や仕事についてわかりやすく解説していきます。

海技士とは?

区分国家資格
カテゴリ
受験資格・17歳9ヶ月以上
・乗船履歴(区分により年数は異なる)
試験日程毎年4月・7月・10月・2月
試験方法筆記試験・口述試験
試験会場全国主要都市
受験料3,570円〜15,570円(区分により異なる)
登録・更新合格後に要登録
5年ごとに要更新
難易度3.5
おすすめな人学生 社会人

海技士免許は、大型船舶に乗り込むための国家資格であり、航海士、機関士などの船舶職員として働くために必要なものです。

管轄は国土交通省です。

海技士の資格を保有すると、それを証明する海技免状が交付されます。

船舶と言っても、大型船や小型船などさまざまですが、海技士が必要な船舶は、20トン以上の大型船舶になります。

20トン未満の小型~中型船を操縦するには、小型船舶操縦士の免許が必要です。

海技士や小型船舶操縦士の免許を保有する人を海技従事者と呼び、安全な船舶の航行を目的とした日本の法律である「船舶職員及び小型船舶操縦者法」により規定されています。

日本特有の資格

海技士や小型船舶操縦士である海技従事者は、日本国内の概念と言われています。

例えば、小型船の場合、世界には、免許不要な国も多く、イギリスでセーリングを楽しむ場合、基本的には免許取得が不要になっています。

その一方で、国境を越え、世界を巡る大型船では、ほとんどすべての国で何らかの免許が必要とされています。

四方を海に囲まれ、かつ資源が乏しい日本においては、暮らしや産業を支える生活物質やエネルギーを世界中からの輸入に頼っています。

大型船舶による海運は、日本の国際貿易においても、また世界経済においても欠かせない存在となっているのです。

海技士の取得方法は?

海技士の免許は大きく4種類あります。

  • 航海(1級~6級)
  • 機関(1級~6級)
  • 通信(1級~3級)
  • 電子通信(1級~4級)

例えば、航海と機関では、航行する区域(遠洋区域、近海区域、沿海区域、平水区域)と船の大きさ(200トン、500トン、1600トン、5000トン)により分類されています。

これらは、「船舶職員及び小型船舶操縦者法」の「船舶職員の乗組み基準」に基づいて、適切な海技士資格を取得する必要があります。

年齢条件・乗船履歴が必要

海技士資格の取得を希望する人は、海技試験の受験資格を満たす必要があります。

航海と機関の場合、受験する年齢に制限がありませんが、免許の交付が18歳以上になっています。

また、通信と電子通信の場合、試験開始期日の前日までに17歳と9カ月以上に達している必要があります。

さらに、試験開始期日の前日までに乗船履歴がなければなりません。

この乗船履歴については、例えば、船舶会社によっては自社養成プログラムがあり、その中に乗船勤務が組み込まれている場合もあります。

しかし一般的には、実習の乗船がある船舶職員養成のための教育機関で学ぶことが多いようです。

海技士の難易度は?

海技試験は、筆記試験、身体検査、口述試験から構成されていますが、それぞれに合格しなければ、次のステップに進むことはできません。

つまり、筆記試験に合格し、それから身体検査に進み、それに合格したら次の口述試験へ進む、という具合です。

しかし、船舶職員養成施設を修了した場合、筆記試験が免除され、身体検査から試験が始まります。

筆記試験と口述試験は、どちらも同じ内容の項目から出題され、計測機器、動力・設備などの船舶知識、気象知識、緊急時に関する理解度が設問されます。

かなり高度で専門的な知識が問われるため、筆記試験では専門の学校を出ていないと回答が難しいかもしれません。

口述試験の開始前に実施される身体検査では、視力(0.5以上、矯正可)、聴力(5m離れた距離での話し声)、眼疾患の有無などを測定します。

合格率

平成27年度の海技士(航海)の各級の合格率は、1級が16.9%、2級が16.6%、3級が47.4%、4級が62.5%、5級が59.4%、6級が82.6%でした。

海技士(機関)では、1級から6級までにおいて、それぞれが21.0%、17.1%、37.5%、36.8%、59.1%、83.3%でした。

海技士(通信)は受験者ゼロ、海技士(電子通信)では、1級から4級までにおいて、受験者が全員合格していましたが、受験者(合格者)数は、それぞれが2人、1人、10人、2人と少数でした。

海技士を活かせる仕事は?

海技士は船舶に関わるさまざまな場での活躍が期待されます。

具体的には、客船、貨物船、タンカー、フェリーなどの海運会社です。

海運会社では、各社により多少業務内容が異なることもありますが、通常は、民間会社の大型船に乗車し、キャリアを積み重ねながら、船長を目指すことができます。

また、民間会社で働く場合には、国内外を問わず、世界中の海や陸で活躍することができるでしょう。

一方、海上自衛隊や海上保安庁で国家公務員として働くこともできます。

例えば、海上保安庁に就職した場合、巡視船艇の乗組員が一般的で、しかも、国内勤務が中心です。

そのほか、マグロ船などの大型漁船や深海や海洋生物などの調査研究船でも海技士が働いています。

海技士はこんな人におすすめ!

海技士は、乗り物が好きな人、海が好きな人、さまざまな船に乗り世界中を航海したい人にぴったりの仕事と言えるでしょう。

また、大手の海運会社に就職した場合には、初航海でも初任給が50万円前後になると言いますから、高収入を得たい人に人気の仕事です。

さらに言えば、船員は2~4カ月ほど乗船し、その後はまとめて1カ月ぐらいの休暇が取得できます。

しかも、乗船中は、お金を使いませんので、その分しっかりと貯金もできます。

こうした長期休暇などの恵まれた福利厚生や高い待遇は、一般の会社勤務では、ほぼあり得ないでしょう。

海技士としての仕事は、どの仕事も、本当に海が好きでないとできないような過酷な仕事ばかりです。

その一方で、海技士の就職決定率はかなり高く、しかも、日本の海運会社では、海技士の資格を持つ若い人材が不足している状況にあります。

また、輸入や輸出が安定していれば、海技士の需要も安定し、不況にも強い職種であることから、海技士を目指す女性も増えつつあります。

実際に、大手海運会社では、コンテナ船などの大型船舶の初の女性船長として活躍する人が出ています。

まとめ

海技士の仕事は、需要も高く、海上就職率100%も稀ではありません。

海運業に携わる船員の年齢構成は60歳以上が14%を占め、70歳を過ぎた現役船員もいます。

また、海だけでなく陸でも働けるため、健康であれば、長く働くことができます。

その一方で、船員の高齢化と減少に伴い、船員不足が深刻化しています。

受験資格を満たすのが難しい点もありますが、海が好きな人は、海技士の資格取得について検討してみてはいかがでしょうか。